心のノート

最近は北国で音楽隊ウィッチーズをやっています

GW振り返り①

今年はゴールデンウィーク期間中東京に帰っていたので、長期休暇が終わり現実に向き合う時間が来たということを北海道に帰ったことで強く実感しています。GWの振り返りでもしようかと思いましたが、取り敢えず5/1に観た劇場版響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜の感想を書きます。

 

コンクールにも出ることのないゆるい吹奏楽部ではあったものの、そこで4年半活動してきた経験から、劇場版響け!ユーフォニアムの内容は現実から乖離していると感じます。とはいえ、作品の中で生じている人間関係の問題は実感を持って理解できます。他の人のブログでも触れていましたが、「下手な先輩」というのはよくある話で、例えば鈴木美玲が加藤葉月に対して最初持っていた気持ちだとか久石奏が中川夏紀に対して持ってた気持ちだとか、今回の映画のテーマにも関わってきています。

 

自分は正しく「下手な先輩」で、はっきり言えばパート内で一番下手くそでした。文化祭や定期演奏会で演奏するだけの吹奏楽部でしたが、それでさえもソロパートや重要な箇所を任せられるのが苦痛に近い時も多かった。基本的に指が全然回らなかったので努力が必要だったため、部長に就いていた最後の一年は部活はほとんど休まなかったし部活が休みの日も練習しに部室に行きました。それでも音楽経験者の後輩には追いつけなかった。思い返してみれば練習法に問題があったかもしれないし目的意識が無かったかもしれないし自分にセンスが無かっただけかもしれないので一概には言えないのですが、楽器経験者と非経験者の力量差は1年やそこらで埋まるものではないと考えています。自分の場合は後輩がとても優しかったので救われた場面が多かったですが、もしもコンクールに出るような高校だったならば北宇治のユーフォニアムの3人と同じ構造を取っていたので心労が絶えなかったかもしれません。「下手な先輩はそれだけで罪なんです」という言葉は刺さりました。作品では3人とも代表に残ることができたので丸く収まり安堵しましたが。

 

コンクールというものの残酷さも今回の描写で印象的でした。自分が大学のオーケストラに所属していた頃に同期の人から聞いた話があります。その人の地域では都道府県大会に進む前の予選が2校の間であり、毎年ライバル校が圧倒的な点差で進出していたそうです。そこでその人が部長になった代では徹底的に予選を分析して選曲する等かなりの作戦を練って臨んだそうです。結果は僅差で負けとなったそうですが、内実について述べると、審査員は3人の高校教諭と2人の吹奏楽の専門家という構成となっていて、前者の3名がライバル校に投票し後者の2名が彼の学校に投票したというものだったそうです。勿論高校教諭が吹奏楽について何もわかってないとは絶対に言いませんが、この場合ではある程度今までの実績やネームバリューが働いたように見えます。吹奏楽のコンクールというのはスポーツのようにわかりやすく勝敗が出るものではなく技量の評価という難しいものであり、ましてや自由曲については選曲すら好みが分かれるところですから、そのような結果となるのも理解できます。自分はコンクールエアプなので負けた時の気持ちとかはわかりませんが、納得できない部分があるであろう、ということは容易に推測できます。作品では北宇治は全国大会に出場することができませんでしたが、最後に吉川優子が「自分たちの演奏が最高なものだったことは変わりない」という旨のことを言っていたのはそういう点で良かった。結果に対して不満や悔しさはあったと思いますが、それを跳ね除けるような彼女らの努力に裏打ちされた自信というものを感じられる言葉だったからと思います。

 

響け!ユーフォニアムは中高の吹奏楽部でありがちな問題を純化して取り上げ、それが解決していく様子が鮮やかに描写されている作品です。現実では得られないカタルシスを得られるところに魅力があると思います。このような実在しない青春をコンテンツで摂取することは陰キャ陽キャの括りを超えて万人が何らかの形で行なっていることだと思うし、その青春には誰も到達できないでしょう。この作品についてだけいえば、無数に渡る練習などが描写されていない等のことがあるのでこうなりたいと感じても無理なのは当たり前ですが。コンテンツの消費でしか得られないことは救いがない、のではなく、現実に救いがないからコンテンツに求めているというのが正しいように思います。

 

あとは作品の感想ですが、今回の映画では適当に音楽と向き合っていたことの後悔だとか前述した下手な先輩問題などを思い起こさせて少ししんどかった。1クールアニメでやってほしかったなあという気持ちがありましたが身が持たなかったかもしれないのでその点では映画でよかった。あとは塚本とかいうモブが主張してきて邪魔で作品に集中できなかったから石原立也に文句を言いたいです。でも総合的には久石奏の絡みだとかちょっとしたリズ要素だとか、やっぱりメインの青春要素とかがかなり良くて映画終わったあとは夢遊病患者のように「良かった…」と繰り返していました。続編を楽しみにしています。